残りものには福な服プロジェクト(福服 fukufuku)は
生産現場や倉庫で生まれる残反を活用したプロジェクトです。
いろいろな事情でアパレル工場に残ってしまう生地を活かし
SAWA SAWAがVLISCO社製ワックスプリント生地と合わせて
ワンピースを製作しました。
いま作られるもので、作られるだけ。
お客様も工場も幸せになるものづくりの
「残りものには福な服プロジェクト」です。
SAWA SAWAの思い
いま作られるもので、作られるだけ。
SAWA SAWAがいつも大切にしている理念の1つです。
SAWA SAWAがつくるアパレルや雑貨は限られた資源の
VLISCO社製ワックスプリント。
テキスタイル自体が「新しいものを作り続ける。
一度発表したコレクションは再生産しない。」という
コンセプトのもとでつくられていることと
販売店の均衡を保つためにVLISCO社の販売数量にも制限があるため
SAWASAWAは大手アパレル会社のように大量生産ではなく
「必要とされる方にお届けしたい」という想いから
限られた資源でアパレルや雑貨を製作しています。
はじまりは突然に
今回の「残りものには福な服プロジェクト」は
生産現場や倉庫で生まれる残反を活用したプロジェクトです。
創業120年の紡績会社の関連アパレル会社
「タツボーファッション株式会社」からの
お問い合わせからプロジェクトは始まりました。
「アパレル現場では良質な素材であっても
いろいろな事情で工場に残ってしまう生地が生まれます。
大きなロットでは残っていないけれど
廃棄するのはもったいないほどの素材です。
工場にある残反を何かちがうカタチで
SAWASAWAさん、これらを活用できないですか。」
…作られるもので、作られるだけ。
SAWA SAWAと、まったく同じ思いでした。
新たな試み
直感的に「それいいかも!」とプロジェクト企画は始まりましたが
今までワックスプリントの布帛だけでデザインをしてきたSAWA SAWAにとって
布帛×天竺コンビの商品開発は新たな挑戦でした。
まずは、VLISCO社ワックスプリントと相性のいい
天竺ニットを選定する必要がありました。
残反とはいっても、120年の時をかけて糸の特性を知り尽くす
紡績会社から生まれた魅力的な原料ばかり。
そして、幸運なことにワックスプリントの張りに
調和できるハイゲージ天竺が見つかりました。
今回の天竺は通常の天竺よりさらに度目を詰めて
編立てることによりハリ感のあるハイゲージ天竺に仕上げました。
表面がシルケット加工されているため
微かに光沢感のある表情が上品な質感で
綿100%でありながらカジュアルになりすぎない上質な生地です。
これだけ張り感があるしっかりした天竺ニットが
工場にまだ残っているなんて願ってもないことでした。
廃棄される前に、この素材を見つけることができて本当に幸運。
「残り物には福がある」とは、これぞまさに、の瞬間でした。
デザイン
良質な天竺と厳選したワックスプリントで素材はすべて揃いました。
次にSAWA SAWAがすべきこととは
布帛と天竺を合わせた新しいデザインを決めることでした。
この限りある素材を存分に活かせる
デザインはどうしたらいいのか
たくさんの方のご協力のもとトワルやサンプル製作を何度も重ねて…
ようやく完成した「天竺コンビのワンピース」。
残りものには福な服
シンプルな美しさが引き立つカットソーが
ボディー部分にデザインされたため天竺ならではの伸縮性もあり
すっきりとしていながらもストレスフリーな着心地です。
ストレートタイプのワンピースは体のラインを拾わず安心感のある着心地で
すっと横に開くボートネックが印象的です。
ハイウェスト位置で切り替えすことで脚が長く見えるスタイルアップ効果もあります。
両裾サイドにスリットが入っているので足さばきも良く着用出来ます。
ギャザータイプのワンピースは着心地の良いカットソーに
スカートがプラスされたようなワンピース。
きちんと感を演出するため
首元はすっきりとした小さめの開きにデザイン。
後ろ開きはループと釦の付け位置を
何度も調整し、すっきりと仕上げました。
立体的に仕立てたボリューム袖は
ゴム袖口でレングスも調整できるようになっています。
しっとりとしたシルケット天竺と
ろうけつ染めの技巧で染め上げられたワックスプリント。
それぞれ、素材の良さを引き立てる細やかなディテールが
SAWA SAWAらしいワンピースとなりました。
お客様も工場も幸せになるものづくり
「残りものには福な服プロジェクト」から生まれた新しいワンピースです。